親が亡くなったあと、障害者の経済支援はどうなる?

 

泣いている男性

心身に障害がある人が全面的にサポートを受けている人といえば、多くの場合が家族や親でしょう。
施設に入っているなどしていない場合、親が亡くなったあとひとり暮らしになる障害者も少なくありません。
障害年金の受給や医療費助成制度などはありますが、それでもお金が足りなくなる場面やまとまった費用が必要となることがあります。

 

このページではそんなときに利用できる公的制度や経済支援をご紹介していきます。

 

生活福祉資金貸付制度とは?

生活福祉資金貸付制度とは、

  • 定められた基準に満たない低所得の世帯
  • 身体障害者手帳などの交付を受けた障害者が属する世帯
  • 介護が必要な高齢者が属する世帯

これらの世帯に対し、生活資金を融資する制度です。

 

メリットとしては非常に低金利で融資を受けられる点。
デメリットとしては条件や審査が厳しく、他に利用できる支援制度があればそちらを優先して使うことになるといった点があげられます。

 

どこに申請すればいいの?

生活福祉資金貸付は、各都道府県や市区町村の社会福祉協議会が主となって事業を行っています。
地域ごとに貸付限度額や種類、支援制度が異なりますので、まずは住んでいる地域の社会福祉協議会の相談窓口へ問い合わせることがスタートとなります。

 

具体的にどんな制度なの?

この制度は融資金の使用用途によって4種類に分けられています。
また、借りることができる金額は、それぞれの必要性に応じて審査され、決定されています。

 

福祉資金

一時的に必要になる生活費を借りることができます。
たとえば障害者の場合、福祉サービスを受けたいけど当面のお金が工面できない場合など、利用目的がハッキリしている場合には貸し付け対象となりやすいです。

 

教育支援資金貸付

学校への入学費や、授業料などといった費用を借りることができます。
奨学金制度が利用できない場合などに利用できる可能性がある貸付金です。

 

総合支援資金貸付

無職で収入がまったくない場合や、家賃が払えないほど困窮している世帯の場合に利用できます。
ただし、すでに仕事が決まっている場合には利用することはできません。

 

不動産担保型生活支援資金貸付

住まいを担保にして生活資金を借りる制度です。
この制度はどちらかといえば高齢者向けの制度で、低所得世帯の場合には連帯保証人が必要になります。

 

またこのほかに、緊急小口資金と呼ばれる10万円以内の貸付を受けられる場合があります。
障害者世帯の場合、福祉資金や教育支援資金、総合支援資金の利用が主となります。

 

まとめ:条件は厳しい、使えると便利な制度だけど…

なかなか耳にしない制度ではありますが、将来的に多額の費用が必要になると分かった時には、ぜひ申請しておきたい制度です。
しかし審査のハードルがかなり高く、生活保護を受けている場合でも借りられることから、お金を借りる公的制度としては最終手段としたほうがよいでしょう。

 

生活保護を申請するときには

生活福祉資金貸付を受ける際、生活保護制度を利用できる場合にはそちらを優先するよう促されます。

 

生活保護制度とは、まず世帯状況や地域、家族構成や障害の有無などを基準とし、最低生活費を出します。
この最低生活費が世帯収入よりも少ない場合、その差額が支給されるという制度です。

 

生活保護を受けている世帯の約12%程度が障害者世帯であると言われています。

 

障害者世帯では優遇措置がある

障害者であるからといって、生活保護の審査に通りやすい、というわけではありません。
本当に生活が困窮しているかどうかを立証してはじめて受給できるものとなっています。

 

しかし、障害者が属する世帯が生活保護を受給する場合、障害者加算が加算計上されます。
要するに、生活保護金+障害者加算による計上分のお金が受給できるということになります。

 

障害者加算の認定には、

  • 身体障害者手帳
  • 国民年金証書
  • 特別児童扶養手当証書
  • 福祉手当認定通知書
  • 障害の程度が確認できるもの(医師の診断書など)

などが必要になります。

 

また、障害の程度と加算額について以下の表にまとめました。

 

対象となる人

1級地

2級地

3級地

身体障害者手帳1級または2級

障害年金等級1級

26,750円

24,880円

23,010円

身体障害者手帳3級

障害年金等級2級

17,820円

16,590円

15,340円

 

生活保護の申請方法は?

生活保護の申請窓口は地域の福祉事務所となっています。
とにかくまずは職員に相談をするのですが、昨今のメディア報道によるネガティブなイメージで職員の対応が頑なに「本当に生活保護が必要なの?」と高圧的である場合があります。

 

そんなときは、障害の有無や程度にかかわらず友人や介助者など、第三者に付き添ってもらって相談にいくよう心がけましょう。
相談の後、生活保護申請書を提出できたら、訪問調査や面談があります。
このときもできれば、本人や世帯状況をよく知る人についていてもらったほうが安心です。

 

申請書の提出のあと、およそ2週間以内に結果が出ます。
延長された場合でも最長30日以内に結果が通知されます。

 

申請するとき必要な書類は?

生活保護を申請するにあたり、必要な書類は以下の通りです。

  • 生活保護申請書
  • 本人確認ができる書類(免許証、保険証など)
  • 年金証書
  • 財産を確認できるもの(通帳、車検証、登記簿謄本など)
  • 医師の診断書
  • 家族の住所、連絡先

これらの他にも、現在の住まいや受けている手当、保険証券などの提出が必要になる場合があります。

 

まとめ:絶対生活保護が必要、という強い意思をもって

障害を持っていても、生活保護を受けやすくなる、というわけではありません。

 

しかし、やはり収入が心許なく、最低限の生活すら営めない世帯のなかには、障害者の属する世帯が一定数存在しています。
生活保護制度は本来そんな人々の社会復帰を目的とした法律のはずですが、不正受給などでバッシングを受け、警戒する職員の態度に申請に手をこまねく人も少なくありません。

 

できれば申請者をよく知る第三者についてきてもらうのが一番いいのですが、そうではなく一人で申請しにいく場合には、「自分には生活保護が必要なんだ」という強い意思を持って臨みましょう。
生活保護を受け、さらに障害者加算がおりれば、よりゆとりある生活を送ることができるようになります。