障害者をターゲットにした悪質商法に注意!

断る男性

障害者の自立支援や地域に溶け込む運動が活発化するなか、経済的な自立をしきれていない障害者を狙った悪徳商法や、それにまつわる金銭トラブルが多発しています。
例えば知的障害者が金銭管理について十分に学ばないまま社会へ出て、多重債務や浪費などを何度も繰り返してしまうケースもあります。

 

これらは障害者に限らず、高齢者にも多く見られるトラブルのひとつです。
しかし、最近になるまで特別支援学校においても金銭管理面の指導改善は行われてきませんでした。
障害者が経済的な自立をはかり、社会進出するには最も重要な部分であるはずの指導が欠けていた、ということになります。

 

障害者は自己防衛が難しい

中には障害者であることを知ったうえで、悪意のある話を持ち掛けてくる悪質な業者もいます。
障害者には自己防衛力がなく、契約を理解し自力で判断する能力もない、と思われてしまいがちであるからです。

 

このような悪質商法は日々増加し、たびたびメディアなどでも注意喚起がなされるなど、昔からある大きな社会問題のひとつです。

 

一番多い金銭トラブルは浪費

知的障害者でトラブル件数が最も多いのは浪費となっています。
日用品の買い物や課金ゲームなどにお金を費やしてしまい、金銭管理が行えず日常生活を圧迫している状態です。
浪費癖の解決策としては一般的な金銭感覚を身につけることが重要となります。

 

しかし、これらを除いても、お金の貸し借りや多重債務、障害者が結んだ契約についてのトラブルは後を絶ちません。

 

ここでは障害者の方に持ち掛けられる悪徳商法についていくつかご紹介していきます。

 

こんな商法に注意!

マルチ商法(ネットワークビジネス・連鎖販売取引)

マルチ商法とは、会員が新規会員を誘い→新規会員がまた新しい人を誘う→新しい人…を繰り返すことにより、組織をより拡大していく仕組みを用いた商法のことです。

 

主に健康食品や浄水器など、物品販売を目的に新しい会員を誘うことで不労所得が得られます。
販売員を増やせば増やすほど販売する大本は儲かり、最下層の販売員は全く稼げないという仕組みです。

 

このマルチ商法そのものは違法ではないのですが、明らかに価格が高額だったり、不適切で執拗な勧誘があればそれは違法。
「元が取れれば必ず儲かる!」などの誇大広告がなされている場合も違法です。

 

もしも違法なマルチ商法の被害にあった場合には、特定商取引法などにおけるクーリングオフ制度(20日間)で対処することができます。

 

判断能力が不十分だと察知された障害者や、高齢者を狙ったこの商法の持ち掛けは未だに多く社会に根付いています。
こうした契約締結における同意・取り消しを本人に代わって行えるのが、後見制度となっています。

 

 

ネズミ講とマルチ商法のちがい

また、ネズミ講と呼ばれる無限連鎖講がありますが、マルチ商法とはまた別で、こちらは完全に違法となっています。
基本的な仕組みはマルチ商法と変わりません。
しかし、商品販売を目的にしているわけではなく、紹介料などの金銭のみの受け渡しが発生している場合は違法となります。

 

生命保険や宗教への勧誘

先の健康不安や孤独感などにつけこんだ生命保険や宗教への勧誘も後を絶ちません。
こちらは自分の症状を自分で判断できる障害者に向けても、積極的に持ち掛けられることがあります。
また障害者の子を持つ親などにも、保険勧誘の手は伸びているようです。

 

怪しい商品のセールス・押し売り

主に化粧品やエステサロンの勧誘、自己啓発セミナーの講習などが挙げられます。
街で声をかけられたり、いきなり家に訪問販売されたりと、意識外から突然やってきて購入意欲を掻き立てられるのが危ないポイントです。

 

街頭でのキャッチセールスの場合は喫茶店や営業所に連れていかれ、街頭で聞いた話とは全く関係ない商品を買わされるというのが主な被害です。
営業所まで行けば販売員に囲まれて、「購入するまでは帰さない」といったような雰囲気で、購入するよう強要してきます。

 

そのようなセールスには絶対についていかないことが自己防衛の基本となります。
こちらも判断能力の低下に付け込まれ、高齢者や障害者を狙った事件が多くなっていますが、女性や若い人の被害も少なくありません。

 

とにかく「絶対に○○!」と書かれていたり、聞かされたものは基本的に絶対にダメです。
どうしても購入してしまった場合には、8日間のクーリングオフ期間に返品することで対処できます。

 

ワンクリック詐欺・架空請求

突然ハガキやメールなどで催告状が送られてきて、「利用料金が支払われていないから一定期間内に連絡してこないと財産を差し押さえる」などといった詐欺。
最近ではサイトを開いた瞬間カメラのシャッター音が鳴り、写真を撮りましたと言って料金を請求するといったものが話題になりました。

 

詐欺であるということや催告状の内容がわからない人であれば不安に感じ、記載されている連絡先に連絡してしまいます。
この手の詐欺に関しては利用した覚えがなければ無視、どうしても気になるようであれば消費者センターに問い合わせる、といった方法で解決できます。

 

まとめ:いずれのトラブルも「判断能力」がカギ

代表的な悪質商法について簡単にご紹介しましたが、いずれの場合も消費者の感じている不安やストレスに付け込み、金銭を巻き上げるという点は共通しています。

 

特に精神障害者はマインドコントロールされやすい傾向にあるとされています。
また、聴覚障害者に手話で親しげに話しかけ、商品を買うよう勧誘を持ち掛けられたりすることもあるようです。

 

悪質な業者は障害者や高齢者に限らず、誰しもに緊張感と感情の揺さぶりを引き起こします。
もしくは商品の説明を何時間ものあいだ畳みかけ、疲弊させたところで契約を結ばせるなど、時代を重ねるごとに手口は巧妙になっていきます。

 

この緩急こそが正常な判断能力を奪い、詐欺や悪質商法にかかってしまう罠というわけです。

 

クーリングオフを利用しよう

このような詐欺被害に遭わないためには、障害者本人に後見人をつけたり、両親や親族が注意深く見守ったり、悪徳商法に関する知識を備えることが重要となります。
何か物品を購入してしまった場合には、クーリングオフ期間を利用することで対処できる可能性が高いです。
慌てることなく、そういった対処方法の提示をできるように心がけておきましょう。